秘密 himitsu 真実 shinjitsu

いつもの寄り道コース、車に乗ろうとしたら、いつものように「後ろ⇒」って指さしてくれない。
なんだぁ、今日は前？　ってことはゆっくりできないんだね。
ちょっとがっかりして助手席に乗り込むけど、文句は言わないよ、会えるだけで機嫌いいもの。

溶けないうちにと思って、コンビニで買ってきたプレミアムソフトを差し出す。
交換に彼からは可愛いお土産、楓の大好きなものが主役だね、ありがと＾＾

ウマそうだな、と抹茶ソフトをパクリ、それから楓にも・・・と思ったら、いきなりグイグイ！
うそぉ～！　冗談かと思ったのに全然手を緩めてはくれず、たちまち口の周りはアイスまみれ。
お口から溢れたアイスは肩にも落ちて、ジタバタ暴れてようやく放してもらえたのだけど、
こんなこと、力いっぱいするオトナっている？（爆）

また車、汚しちゃうじゃない、って思うけど、やっぱりそんなことは気にしない人らしい。
冷たくて、苦しくて、でも可笑しくて、むせながらほおばったアイスを食べるのは、楽しいけど＾＾；
ひどいー！って訴えて、逆にやり返そうと思ったんだけど、やっぱり楓にはできないよ。
彼のお口に押し込むマネをしただけなのに、「今、やろうとしただろ？」って、また反撃にあう。
ちょっと硬いコーンはカリカリ美味しいはずなのに、こういう時には凶器になる。
バリバリ割れても構わず押し込む、それも楓の口を手で広げながらムリヤリだ。
彼がその大きな手を突っ込んでくるときと一緒だ・・・って思ったとたん、抵抗できなくなる。

床に置いたお皿に顔を押し付けられたときもそうだった。
こんなオカシナコトで感じちゃうなんて、変。
だけどドキドキして、カラダの芯がきゅうっとしてしまうんだもの。

冷たくて、コーンが刺さって痛くて、半泣きになってようやくやめてくれた。
楓はもうワンコだから、こぼれたアイスも拾って食べる。
彼がお顔を拭いてくれるのもうれしい。

それで終わりかな、と思ったら、そうじゃなかった。

「ちょっと咥えろよ」