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秋野 楓

Author:秋野 楓
奴隷としての日々を綴り始めたブログでしたが、今はもっと素直な想いを書いています。
かなり熟しておりますが、意外に純です。
よろしくお付き合いください。

TwitterのIDはこちらです。 @akinokaede

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ようやく・・・(2)
ご主人様と腕を組んで歩く・・・そんなこと、思いつかなかったのです。
いつも少し遅れたところをついて歩く楓には、ご主人様に傘を差しかけることしかできなくて。
もしかしたらご主人様は楓に、寄り添って歩くチャンスをくださったのかもしれない・・・
そう思いついたのは、帰りの電車の中でした。

5ヶ月以上もご主人様のお顔を見ていませんでしたから、お会いする時間が近づくにつれ、
うれしさと恥ずかしさで頭の中はいっぱいになっていました。
少し早めにお弁当などの買い物を済ませて、待ち合わせ場所でお待ちする間、
努めて普通の顔をしているつもりでしたが、まるで初デートのようにドキドキしていたのです。

お時間通りにお見えになったご主人様を見つけて駆け寄ると、
ご主人様も優しいお顔で「久しぶりだな」と仰って、いつもの通りに歩き始めました。
思わず楓も並んで歩き始めてしまいましたが、すぐに違和感を感じました。
だっていつも、楓はご主人様の2~3歩後ろをついて歩いていたのです。
離れた方が・・・? とも思いましたが、ご主人様がお話してくださるようだったので、
少し迷いながらもそのまま並んで歩きました。

外は雨・・・ご主人様は楓が折りたたみ傘を持っていることを確認なさると、
「それならいいな」と仰って、そのまま外にお出になりました。
慌てて傘を開いて差しかける楓に、ご主人様は笑って仰ったのです。

---- お前は奴隷なんだからな、ご主人様が濡れないようにするのが当たり前だろ

楓は、その一言で濡れてしまいました。
ご主人様はこんなに出来の悪い女を、まだ奴隷と呼んでくださった・・・
ご主人様が今から奴隷として使ってくださる、と思っただけで、奥の方がきゅうっとしました。

同時に、並んで歩くことが申し訳なくなってきて、少し後ろから傘を差しかけました。
楓の傘が小さくて、少し離れると濡れてしまうのですが、
ご主人様も構わずどんどん行ってしまわれて、ときどき「濡れてるぞ」と叱られながら
楓はただ一生懸命、後ろから傘を差しかけていました。

そう、思い切ってご主人様の腕につかまってしまえば二人とも濡れずにすんだのです。
今思えば不思議なくらい、楓はご主人様に距離を感じていました。
滑稽です。いくらご主人様が遠くても、すぐ楓は丸裸にさせられてしまうのに。

2010.04.14(Wed) | tryst | cm(0) | tb(0) |

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