秘密 himitsu 真実 shinjitsu

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どのくらいの期間、と決めたわけじゃない。
それを事前にお伝えしていたわけでもない。
ただ、楓が勝手に決めた期限は４周年の夜だった。

楓には、どうしてもご主人様にお聞きしたいことがあって、
お尋ねしてはいけないことは承知で、いくつかの質問をさせていただいていた。
もちろんお返事はなく、だからといって、それでドウのコウの、というわけでもない。
だって、それはご主人様が決めることだから。
楓の居る場所は相変わらずここしかないことはわかっているのだけれど、
でも、どこかに期限を作らなくちゃ前に進めない気がした。

ご主人様へのメッセには、冗談めかして「時間切れですよ」と打ち込んだ。
ご主人様には何の時間切れなのか、お分かりにならなかっただろうし、
「ブログ、おやすみするかもしれません」とも書いていたから、
そちらのこととお考えだったに違いなく、そのままスルーされていた。

二日後、また発作的にお返事を求めるメッセを送ってしまった。
「ひと言いただければ、もううるさくしません」とまで書いたせいだろう、
翌日、ご主人様は本当にひと言・・・２文字だけお返事をくださった。
一人で深刻になっている楓を笑わせようとしてくださったのかもしれないが、
楓にはその余裕すらなくなっていて、「そんなんじゃイヤです」と駄々をこねた。

「ひと言いただければ」という約束も破って、グズグズ言い続けてしまった。
だって、その２文字はお叱りでもなく、お答えにもなっていなかったのだもの。
そのままご主人様のお返事がなければ、動き出そうと決めていた。

叱られるようなことかどうかは、わかっているつもり。
ご主人様の奴隷であることを忘れるつもりもない。

楓が何をしでかそうと思っているのか、お伝えはした。
臆病者の楓にできるものかと面白がって見物していてくださるか。
それとも不愉快にお思いになって、楓をお捨てになられるのか。

楓がご主人様を試しているなどというつもりはいない。
だって、それは違うもの。
きっとご主人様が、楓を試そうとしておられるに違いないのだ。