秘密 himitsu 真実 shinjitsu

ラッピングといっても、たいそうなものではありません。
以前、お友達にいただいた赤のラッピングテープを、ずっと使っていなかったので、
これまた未経験の「緊縛」のまね事でもできたら、と思っただけなのです。

お友達は「適当にグルグル巻けばいいから～」と教えてくださったのですが、
イザ巻いてみると、なかなか思うとおりにいきません。
イメージとしては、乳房を絞り出すようにテープを巻いていき、お花などを飾る、という感じ。
ところがテープは拡げて巻いても、ちょっと動くだけで丸まってきてしまい、
予想外にむずかしいのですね。（もしかして、楓の弛んだお肉のせい・・・？笑）

クリスマス向けの小さなブーケから、バラを１本と銀色に塗られた松ぼっくり、
それからわたぼうしの飾りを抜きとって、胸の浅い谷間に挿し込んでみました。
鏡に映して・・・センスのなさにがっかり・・・（笑）
緑が無いからいけないのかしら、と気づいて枝葉を足してみたり、場所を変えて挿してみたり。
でも、そうこうしている間にも、テープはあちこち捲くれ上がってきてしまうので、
不本意ながら、急いで何枚か写真を撮ってみました。

どれもこれも上手く撮れてはいませんでしたが、４枚ほど選んで送ることにしました。
センスのなさをお詫びしながら、ただご主人様が笑ってくだされば、との思いを書き添えて、
クリスマスの０時を過ぎた頃、メールでお届けしたのです。

当然ながら、すぐにお返事などいただけるとは思っていませんでした。
前回の日記にあのようなことを書いても、相変わらずでしたし、
お叱りがないのはお許しをいただいているから、と思い込もうともしました。
でもやっぱり、何かひと言くらいいただけるかも・・・と期待していたのです。

翌日もご連絡はなく、次第にいつものグルグルが、楓の中に渦巻き始めました。
もしかしたらあんな写真、ご迷惑だったのではないか・・・
それどころか、見てもくださってはいないのかも・・・
あの日記だって、毎日のメッセだって、もう開いてくださってはいないのかも・・・
そう・・・どうせ初めから楓の片思いなのだもの・・・

そんな風に考え始めると、もう悲しいことばかり考えるようになってしまうのです。
ご主人様へのメッセにも、誰も居ないチャットルームにも、うらみ言を呟いてしまいました。
お風呂に入って天井を見上げているうちに、涙が止まらなくなりました。

お風呂から上がり、相変わらずお返事のないメッセを立ち上げて、
「ご主人様」とお声をかけたものの、自己嫌悪のかたまりになって、言葉が続きません。
ただお詫びだけ、と決めて打ち始めると、ご主人様の言葉が飛び込んできました。

----　あほ、見とるわい

楓は慌ててお詫びしました。

----　あはは。お前はアホだな