秘密 himitsu 真実 shinjitsu

いつもの場所にご主人様の車を見つけ、急いで助手席に乗り込んでお詫びしました。
走ったこともあって、楓の心臓は飛び出しそうにドキドキし、体じゅうから汗が噴きだします。
慌てて小さなタオルを取り出して汗をぬぐいながら、少しお話（言い訳かも）したと思いますが
楓の頭の中はもうパニックで、何も覚えていないのです。

覚えているのは、いつものホテルの入り口に女性が二人いて、入れずに通過してしまい、
ご主人様が苦笑しながら、その先のホテルに車をお入れになったこと＾＾
そんなご主人様に、不思議と少しほっとして、ようやく少し普通になることができました。


お部屋に入ると、いつもはまず冷蔵庫にデザートを入れるのですが、
そのホテルの冷蔵庫には、持ち込んだものを入れるスペースがないようでした。
少し多めに保冷材を入れていただいてよかった、と思いましたが、
ご主人様も、「じゃあ先にメシだ」と言ってくださいました。

本当は、夏だし、辛めのカレーもいいかな、と思っていたのですが、
電車の中でご主人様にお伺いメールをしたら、却下されてしまって・・・＾＾；
それで手詰まりになって迷った、ということもあるのですが（笑）
結局、ひじきご飯と、梅ご飯、２種類の和風弁当になりました。
その上、カレーのつもりで先に買ってしまっていたサラダもあって、ちょっと買いすぎ。
「これでデザートもあるんだろう」と、ご主人様にも呆れられてしまいました。

今日は失敗ばかりだなぁ・・・と、ちょっと落ち込みながら、ご主人様と並んでお食事です。
本当はそれだけでうれしいのだけれど、なんだか無口になってしまいます。
ＴＶのニュースを見ながら、ご主人様がしてくださるお話をニコニコとお聞きしているだけで、
きっとご主人様はあまり楽しくないのではないかと、楓は気になっていました。

そんな気持ちを察してくださったのか、まだ食事の途中でしたがご主人様は仰いました。

----　とりあえずお前は脱げ