秘密 himitsu 真実 shinjitsu

Ｓであれ、Ｍであれ、あるいはどちらでもないにしても変態を標榜する方々（失礼）というのは
何かしら自分の世界を持っておられるわけで、本当に魅力的な方ばかりだ。
自信に満ちた（もちろんいい意味でね）方々にお会いする度、いつも羨ましく思っていたが、
それは楓が、自分に自信のない証拠でもあっただろう。

もともとがグルグル体質だったけれども、信じられるものを見つけて進んでこられた。
自分の手でピアスの穴をあけたことなどを話すと「すごい！」と驚かれてしまうけれど、
それはグルグルを打ち消す手段だったのかもしれない。
あるいは、欲しかった自信を手に入れたかったからなのかも。
愛されているという自信など、初めからなかったけれども、
信じられるものがあるという「自信」を持つことができた。
でも、伝えた想いが空を切るようになるにつれ、それすらも揺らいでいった。


「言わなきゃわからないよ。
　相手がしてくれたことが、たまたまイイこともあるかもしれないけど、
　したいこと、言っておけば、すぐにできなくても、できる時があるかもしれない。」

どうしてほしい？　何がしたい？
そう問われても、答えることに臆病になっていた。
でも少しずつ解きほぐすように引き出して、「したいことリスト」に書き加えてくれる。
その結果、行きたかった海にも行かれたし、素直に甘えることもできるようになってきた。
それは彼のおかげなのだけれど、彼はそうではないと言ってくれる。

「僕は何もしてないよ。それは自分で考えられるようになったんだ。」

ううん、依然として楓は頼ってばかりかもしれない。
でも今度は、ちゃんと自分の足で立って、ちゃんと自分で考えて、ちゃんと伝えるんだ。

ほんの1時間のために、出かけて来てくれる。
その短い時間に、伝えていたことが現実になっていく。



狭い車内で凝縮され、満たされた痕跡。

Merry Christmas ！



※　ごめんなさい。写真、削除しましたm(__)m